ホームページ開設時よりお世話になっていました全国保険医団体連合会のホームページサービスの終了にともない、東京予防歯科研究会は独自のホームページアドレスを取得いたしました。
今後は、こちらの新しいURLで活動を行ってまいりますので、「お気に入り」の再登録をお願いいたし ます。 |
| 2005年6月記 |
| http://keepsmile.info |
| コンビニでも売られているキシリトールガム、コマーシャルで流している程のむし歯の予防効果があるのでしょうか? はたしてその実態は? 使い方は? 値段も内容もまちまちですがどれを選べば良いのでしょうか? |
虫歯は、むし歯菌(日本人の13歳以上の90%は保菌者と言われています)の量や能力、唾液の量や酸を緩衝する能力、食べ物の種類、食習慣・生活習慣、歯の形状他が複雑に絡まって起きる病気(ムシ歯を科学するのホームページをぜひ見てください)であり、1ツの方法で全てを解決する予防法はありません。したがって、個々の因子を除去する予防法を組み合わせて用いられています。
キシリトールを用いた予防法も追加型齲蝕予防法と呼ばれ、歯磨きとフッ素の使用、食事・オヤツ・飲み物の内容や回数、喫煙に注意し専門家(歯科医師や歯科衛生士)によるプラークバイオフィルムの除去(PMTC)など定期的な予防管理に取って替わるものではなくこれらを補足しより効果を高めるものであることをご記憶ください。 |
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キシリトールは天然素材の甘味料で、白樺や樫など広葉樹、トウモロコシの穂軸、イチゴなどの果物やほうれん草などの野菜に含まれています。
樹木から取れる成分を原料として主にフィンランドで生産され、カロリーは砂糖の約75%、そして、虫歯予防の効果が認められています。
インシュリンに影響を与えないため、医療の現場では以前から糖尿病の患者や点滴にも使われていました。
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- キシリトールの甘さにより唾液を出させる効果 → 唾液が増えることで酸を中和する能力が高まり、再石灰化を促進する。
ガムタイプでは噛むことにより、さらに多くの唾液が分泌して再石灰化を助けます。
- 歯垢中のむし歯菌(ミュータンス菌など)を減少させ、虫歯を作る酸を抑制する効果があります。
ミュ−タンス菌は通常、糖を取り込みエネルギー源として酸を生成します。その酸により、歯の表面直下より脱灰(カルシュームイオンやリンイオンが放出されること⇔この逆を再石灰化と言います)される事により、むし歯が始まります。しかし、ミュータンス菌はキシリトールを取り込むことができないので徐々に弱って行ってしまい、酸を生成できません(このようなサイクルを"無益代謝回路 futile metabolic cycle"と呼びます)。細胞に貯蔵されているエネルギーを消費させる一方で、なんらエネルギー産生には役立たずに繰り返されることによって、段々機能が縮小されて行くことになります。
- キシリトールを使い続けると、先ず口腔内の歯垢(プラーク:Plaque=歯糞)の虫歯菌(ミュータンス菌など)の数が少なくなります。
- 体質改善という言葉がありますが、さらに使い続けて行くと虫歯になりにくい歯垢に変わって来ます。歯垢の体質改善(虫歯を起こす菌を選択的に除菌する効果)がなされ、むし歯が出来にくい細菌のバランスの性状に変化して来ます。
注) 歯科医院では虫歯菌を通常2回の通院で直接除菌する治療法も始まっています(→リンク 新しい虫歯対策 3DS)。
- 歯垢の性状の変化によって歯磨きがし易くなり、また歯肉炎なども起きにくくなります。
- フッ素は再石灰化など歯への対応が主である(リンク→フッ素について考える)のに対して、キシリトールは原因のプラーク(う蝕発生の要因)に直接的に働き、脱灰を防ぐのに効いたり、ダ液の分泌を促し再石灰化しやすくさせたりします。
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V:垂直(母子)感染対策として
虫歯菌は主にお母さんから移っています! |
- エバ・サーダリン教授(フィンランド、トゥルク大学歯学部生化学)の報告によりますと、「お子さんが生後3,4ヶ月〜24ヶ月の間は、保育者がキシリトールのガムを毎日4個ほど噛んだ場合、子供への感染率は著しく低くなる。」とあります。
- 尚、母親(保育者)はむし菌を増やさない・移さないためにも、安定期までに歯科の治療をすましておきましょう。
ご自身の口腔内環境・特に虫歯菌の数やダ液の状態を調べておくことをお勧めいたします。
- 13歳以上の日本人の90%以上が虫歯菌に感染している、との報告があります。既にお子さんにむし歯菌の移り込みが行われてしまった可能性がある場合は、歯科医院で検査を受けてみましょう。
- 1.5〜3歳までの感染してしまった子供の対策法は後述いたします。
参考に、リンク→ *お母さんから虫歯菌が移る *虫歯菌を移さない工夫(母子感染を防ぐために)
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ガムまたはタブレット中の甘味料あたりの50%以上がキシリトールであること、キシリトール以外の甘味料も非齲蝕原性(虫歯の原因にならないもの)であること、総重量のほとんどがキシリトールで占められることが推薦されます。含まれる量が多いほど予防効果は高くなりますが、再石灰化の効果をより高めるために、各メーカーは色々工夫をした成分を追加した製品を出してきていますが、厚生労働省が定める特定保健用食品として登録されている製品であれば問題はありません。
ガムタイプの方が、噛むことによりダ液がより多く分泌されるので、こちらの方がお勧めですが、ガムが噛めない方はタブレットを使用し、量は噛ないとダ液の量が少ないので少々多めに使います。
参考に、リンク→キシリトール製品の成分表を是非ご覧下さい。
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ドライマウスなどで、いつも口が渇く方の「のど飴」としても使用できます。
幼児やガムが安全に噛めない人たちにはこちらをお勧めします。
タブレットタイプも使えない場合は、キシリトールタブレットに少々傷をつけ、押し潰す「クラッシャー」などで粉末にしてお使い下さい。
つぶし方のポイントは、いきなりクラッシャーを使わないで、先ず錠剤に清潔なペンチやニッパーで傷をつけておいたり、あらかじめ少々つぶしてからご利用してください。
乳幼児は耳掻き一杯より、様子を見ながら始めましょう。
お腹が緩くなるようならば、量を減らしてみてください。
一般に2歳半ぐらいになればガムも使用可能と思われます、お子さんの発達にあわせて工夫してみましょう。
*追記
キシリトールタブレットや錠剤を押し潰す「クラッシャー」が、大手流通での輸入が終わってしまい入手が困難となりました。当研究会では東京都小平市にあります小平薬局様にお願いして特別に入手出来るようなりしました。
以下に小平薬局様のホームページのリンクを貼っておきますのでお問い合わせください。
URL: http://www.kodaira-ph.co.jp/ |
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1.5〜3歳までの感染してしまった子供の対策例
1日の使用量:1.5gを食後の3〜4回などに分けて舐めさせます。 |
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* ピジョンの 「 タブレットU 」 の例;
1製品に60粒(35g) キシリトールは23.9g含有
1粒あたり 0.40g → 1回1粒 毎食後で3回使用で1.2g
→1回1粒 毎食後と就寝前の4回使用で1.6g となります。
* ロッテの 「 タブレット・キシリトール [ オレンジ ]」 の例;
1製品に82粒(43g) キシリトールは37.1g含有
1粒あたり 0.45g → 1回1粒 毎食後で3回使用で1.35g
→1回1粒 毎食後と就寝前の4回使用で1.8g となります。
注)パッケージには大人の使用例として「1日摂取目安量:1回に3粒を5分舐め、1日7回を目安に、1週間続けると効果的です。」と記入があります。
* ロッテの 「 LOTTE TABLET [ MILD MINT ]」 の場合、子供向けの味ではありませんが参考までに;
1製品に55粒(8.5g) キシリトールは7.0g含有
1粒あたり 0.127g → 12粒で大体1.5gになりますので
→1回3粒 毎食後と就寝前の4回使用となります。
一製品当りのキシリトール量は、リンク→キシリトール製品の成分表をご覧下さい
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ムシ歯になる危険性が高く、積極的にキシリトールガムを使う場合には、1日5〜7回(キシリトール100%では、1日5〜7gの量と言うことです) 毎食後と間食の後、就寝前に1粒ずつ噛むことが薦められます。
* ロッテの「キシリトール・ガム[ LIME MINT ]ボトル」の例;
1製品に100粒(150g) キシリトール(53%)は64.3g含有
1粒あたり0.643g
→1回1粒 毎食後で3回使用で約1.93g(3歳までの虫歯菌に感染してしまった子供への対応例)
→1回2粒 毎食後と就寝前の4回使用で約5.14g となります。(大人の量として最小単位)
→1回2粒 7回使用で約9g となります。
注)パッケージには大人の使用例として「1日摂取目安量:1回に2粒を5分噛み、1日7回を目安に、1週間続けると効果的です。」と記入があります。
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- ポイントは 口の中にダ液が一杯になった時にすぐに飲み込まず、出来るだけ溜めてクチュクチュと口腔内に行き渡らせる方が効果があります。
- 味がなくなっても5〜10分間は噛みましょう。
- キシリトールを毎日、2〜3年摂り続けることで虫歯菌の除菌的効果が現れ、その後も効果が持続され易くなります。
- 除菌的効果が現れば、当然むし歯になり難いお口の中の状態になっている事になります! (虫歯菌の除菌法は、キシリトール以外の方法として リンク→新しい虫歯対策 3DS → Dental Drug Delivery System:デンタル・ドラッグ・デリバリー・システム)
- 歯の萌出期は量や回数を増やすと良い。
- 食事、間食の都度に使用すれば効果的とお考えください。
- 歯磨きの後は飲食はしないと言う生活習慣をつけた方が良いと考えますので、キシリトールの使用は歯磨きの前にして下さい。 (研究によれば前と後での差はありませんので、忘れてしまった時は後からでもキシリトールを早く使用しましょう)
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| Z:キシリトールが入っている製品は凄い効果があるのか? |
歯磨き剤や洗口液(デンタル・リンス)においては、先ずフッ素が入っているかどうかがポイントで、キシリトールが入っていればさらに良いと考えてください。
そしてフッ素入り歯磨剤とキシリトールを併用すると効果は増します。 |
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FAO(世界食料農業機関)/WHO(世界保健機関)合同の規格委員会より、「1日の許容摂取量を限定せず」というもっとも安全性の高いカテゴリーとして評価されています。
まれに、過剰摂取(キシリトール量20〜30g/1日、以上の使用)で下痢が起こり易くなることがあるので、下痢が続くようなら、一時摂取を止めましょう。
インシュリンに影響を与えないため、医療の現場では以前から糖尿病の患者や点滴にも使われていました。
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ガムは紙に包んで市町村のルールに従って捨てましょう!
参考文献など;
ミュータンスコントロール-キシリトールの可能性と応用:日本フィンランドむし歯予防研究会
キシリトールのすべて:カウコ K・マキネン、鈴木章、福田雅臣.日本フィンランドむし歯予防研究会
これからのむし歯予防 キシリトールとアパタイトを正しく理解する:花田信弘、砂書房
子育て歯科:倉治ななえ:デンタルフォーラム社
歯科衛生士「カリオロジーに基づく予防歯科診療の成果と課題」:クインテッセンス出版
キシリトールはどう受け入れられたか:鈴木章:歯界展望297〜303
齲蝕予防としてのキシリトールの展望:丹羽源男:歯学718〜722
キシリトール クイックQ&A:日本フィンランドむし歯予防研究会
ウ蝕治療・リボリューション:熊谷崇、田上順次、井上孝.デンタルダイヤモンド社
「21世紀のう蝕予防を考える 国際シンポジウム」 :東京,東京国際フォーラム'2000/11