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2005年6月記
http://keepsmile.info



口呼吸(こうこきゅう)は、万病の元!

共著: 吉田秀治 ( :アーク矯正歯科 院長 ) 、 一之瀬 善憲 ( グリーンプラザ歯科 院長 )        3/8 '2003制作(6/7 '2006更新)   HP制作:一之瀬善憲


1.口呼吸ってなあに?

人は呼吸を無意識におこなっています。
普通は鼻で空気を吸って、鼻から吐きます。そんな事は当たり前のことだとお思いでしょう。
しかし、最近は口から空気を吸って吐く人が増えてきました。
これを口呼吸(こうこきゅう)と言います。
いつも鼻が詰まっている人。
いつも口を開けている人、唇が渇きやすい人、ノドが渇きやすい人、歯茎の色が悪い人(→説明写真のA)、前歯に汚れやがつきやすい人、虫歯が出来てきた人(→説明写真D)特に、前歯の表面の一部が白い人(→説明写真のB)、生臭い口臭(→リンク)がある人は口呼吸の疑いがありあります。
口呼吸をしていても自分では気づかない場合も多いので注意が必要です。

簡単なテスト方法

 鼻の下に薄いティッシュを細長く切り裂いて、付ける部分にちょっとだけ水で濡らし、貼り付けます。
 口呼吸をしていれば口の前のティッシュが呼吸に合わせて口の中に入ろうと内側に動きます。
 お子さんの場合でティッシュなどでチェックしにくい時は、テレビを見ている時や遊んでいる時に口が開いていないか(小さく開いている時は見逃す可能性が高いのでよ〜く)見てあげてください。

2.鼻の役割

では、なぜ口呼吸が問題になるのでしょうか?
口で呼吸しても鼻で呼吸しても同じじゃないの? と思う人もいるかもしれません。
それでは鼻の役割を考えて下さい。

*まず鼻には空気清浄器の役割があります。
  鼻毛や奥くにある繊毛(せんもう)は、埃や雑菌やウィルスや花粉などをシャットアウトします。
*加湿器、加温器の役目をします。
  粘膜で雑菌、ウィルスを浄化し、また乾いた空気、冷たい空気が直接肺に入らないようにします。
  スクーバダイビングの経験者ならば分かると思いますが、ボンベの空気を口から吸っていると、とてもノドが乾きます。
  ノドがヒリヒリして来る事も有ると思います。
  口呼吸ではこのような状態が慢性的に起こっていると考えれば分かりやすいと思います。
  (水泳でも息継ぎの時、口で呼吸するので、ノドが乾きますよね。)

*匂いを感じます。
  焦げ臭い、火事かな?。ガス臭い、危ない!
  酸っぱい匂いがする、腐っているんじゃないか?
  など
  身を守ることや、食べ物の匂い、動物だと異性の放つフェロモンを感知したりと生きるために重要な役割をしています。

3.口呼吸はなぜいけないの?

全身の問題
ではなぜ口呼吸がいけないのでしょうか?
空気中には埃や細菌やウィルスや花粉や有害な排気ガス、そして最近やっと問題にされてきたシックハウス症候群の原因物質など体に有害なものが含んでいたりします。
鼻呼吸(びこきゅう)では、そのような悪い(?)空気を良い空気にして体に取り入れています。
.しかし、口呼吸では悪い空気(?!)が口からノドを通り、肺に入って行きます。
この時、ノドにあるリンパ組織(一般的に扁桃腺といわれている)が直接ダメージを受けます。
このリンパ組織も細菌等からの防御をしていますが、限度を超えると慢性的な細菌感染状態となり体全体の免疫機能が狂ってき、そのため風邪をひきやすくなったり、喘息、アレルギー、アトピーなどが起こる引き金になることもあると言われています。
また、口呼吸をしていると、片方だけで物を噛む「片がみ」や横向き寝を促し、姿勢や骨格のユガミまで連鎖するとの報告もあります。

虫歯、歯周病の問題
虫歯、歯周病(歯槽膿漏)は口の中の細菌(常在菌)が原因です。
健康な人ならば唾液による自浄作用、緩衝作用などがあり、細菌の活動が抑制されます。
さらに唾液中のカルシウムイオンやリンイオンにより(初期虫歯の)再石灰化(→リンク)が起こり修復が行われます。
しかしながら口呼吸だと唾液が分泌されてもすぐに乾いてしまうため細菌の活動などが抑制しきれず、再石灰化もできなくなり虫歯、歯周病を進行させてしまいます(→説明写真C)。
口呼吸をしていることで口の中が乾いていることは、口腔乾燥症(←リンク)と同じ乾燥状態になるわけですので、こちらのホームページも参考に見てください。
加齢と共に口呼吸になることが多く、唾液の分泌も下がってきます。また、高血圧などのため薬を飲みますから、さらに唾液の分泌も下がり(病気を治す薬でウ蝕がおきる?!←リンク)危険な状態となりますので注意が必要です。

歯並びの問題
口呼吸では、当然のことながら口を開けていないと呼吸ができません。
口が開いている時間が長いと口の周りの筋肉が緩みがちになります。
前歯は、舌の弾力のある力で段々押し出され前に出て来ます。
奥歯をかみしめても上下の前歯がかみあわないこの様な歯並びを専門的に「開咬」と呼びます。
顔つきはだらしなく、また貧相に見える様になって行きます。
上の歯が、特に前に飛出ているのを専門的に上顎前突(出っ歯)と呼びます。
開咬になると、舌が前に出る癖がつき易くなります。
一度出てしまうと舌圧によりさらに前歯は押し出されます。

その他の問題
口呼吸だと、いびきをかきやすくなります。
これは口を開けていることと、舌の位置がノドの方に下がるために起こります。
このことは、顔を横向きにして寝るといびきをかきづらくなることからもわかります。
さらに舌が下がると気道を塞ぎ無呼吸の状態となり(睡眠時無呼吸症候群)、危険であると言われています。


4.口呼吸への対策

* おしゃぶりが使える時期ならば、ピジョン社で売られている「鼻呼吸促進用おしゃぶり(8ヶ月位から)」などがありますが、長期間使用することでの害も報告されています、注意して使用しましょう。
詳しくは「日本小児歯科学会・おしゃぶりについての考え方」のホームページをご覧ください。
http://www.jspd.or.jp/public/about_pediatrics_04.htm

  「鼻呼吸促進用おしゃぶり」はくちびるを自然に閉じて、鼻で呼吸する習慣を促進させるおしゃぶりです。
  生後4〜5ヵ月までの赤ちゃんは、母乳を飲む時に鼻呼吸をしています。
  ところが、生後5ヵ月頃を過ぎ、離乳食や声を出すことが始まると口呼吸に変わってしまう事があります。
  「鼻呼吸促進用おしゃぶり」を使い続けると口を閉じる習慣がつき、鼻呼吸が自然に習得できます。

尚、日本小児科学会や日本小児歯科学会などの会員でつくる検討委員では、出来るだけ2歳までに、おそくとも2歳半までに「おしゃぶり」の使用を中止するようにと報告しています。

ホームページ紹介;

   ピジョン(株)のホームページ 育児、マタニティー、介護用品等を製造、販売 http://www.pigeon.co.jp/

   http://pigeon.info/ 赤ちゃん・育児ののコミュニティサイト   
   商品一覧→ここの「 キーワード検索」→「おしゃぶり」や「鼻呼吸促進用おしゃぶり」より入ってください。


   「おしゃぶりを使うと歯並びが悪くなると聞きましたが?」のQandA
   http://pigeon.info/syouhin/catalog/faq_027_0102.html
   
   All About 日米で衝突?「おしゃぶり」の是非 - [子育て事情]
   http://allabout.co.jp/children/ikujinow/closeup/CU20060126B/

* 本人の頭で理解させ、徐々に止めていくのが一番よい方法です。

   口元を閉じることから始めて行きますが、口が開いてしまっていることも分からなくなってしまっている場合は、小さい軽い清潔な紙を唇だけで挟ませてみましょう。
   紙を落とさないように唇を閉じるている習慣をつけさせてください。
   時に、正しい姿勢でお鼻で深呼吸をしましょう。
   赤い色など気が付きやすい色やマークを決めて、視界の中にその色のものなどが入ってきたら、口元が閉じているかをチェックするきっかけにしてください。そしてお鼻で深呼吸をしましょう。
   カレンダーに、何回チェックが出来て、直っていくかをカウントして行くのも形として見える評価で励みになります、ご家族でやってみてください。

製品としては以下の様なもあります。

  
   「
パタカラ←リンク」や「マウスエイド←リンク」 や「オーラルスクリーン」は唇と歯の列の間に入て使う効果的な道具です。歯科医院などで入手可能です。

* 癖がなかなか抜け無い時は、バンドエイドの両端の接着テープ部分を切はなし、さらに縦に切って小さいテープを作り、唇に「ハ」の字に貼ってみましょう。
  片方だけの鼻の詰まりならば、試しても問題は無いと思われます(決して強いテープは貼ってはいけません、唇が荒れている時は特に注意してください)。
また、クシャミがでそうな時は使用しないでください、口唇が切れたり鼓膜を破る可能性があります。

* 水泳等の顔が水に濡れるスポーツ、過激なスポーツの後は口呼吸になっていますので、注意が必要です。
   スポーツの後、着替えたら鏡で自分の顔を見て口元をチェックし、「呼吸はお鼻で」とイメージし、お鼻で深呼吸をしましょう。

補足:.説明写真

典型的な口呼吸患者の口腔内写真です。
ご自身のお口の中も同じようになっていませんか?鏡で見てください!
A[黒い枠線に囲まれているエリア]
 歯肉が常に乾燥させられているため、メラニン色素がふえてきて帯状に黒ずんでくる。
 歯肉は常に湿度(=唾液)100%の状態がよい。いつも歯肉が見えているのは異常です。

B[黄色い枠線に囲まれているエリア]
 歯の表面が、チョークのような白く濁ったような色に変化してしまった。
 口呼吸によって脱灰が急激に進んだ結果。更にすすむと表面はざらついてくる。さらに進むと穴が開き、虫歯になる。ここまで進むと口呼吸をやめても治らない。
*チョークのような白く濁ったような状態ならば、口呼吸を止めば唾液による再石灰化により元に戻ります(フッ素を効果的に使うと、なお良い)。

C[赤い枠線に囲まれているエリア]
 口呼吸だと唾液が分泌されてもすぐに乾いてしまうため細菌の活動などが抑制しきれず歯周病を進行させやすくしてしまいます、またこの状態で喫煙の習慣があるとかなり厳しくなります。
(歯の根元までキチット磨けていることは当たり前ですが)。

D[緑色の枠線に囲まれているエリア]
 フロスなどで、歯間磨きもちゃんと出来ていなかったこともありますが、口呼吸が虫歯の進行をすすめてしまった。



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